歯車は最も基本的な機械要素の一つである。その主な役割は以下の通りである。(a)回転数にかかわらず、一定比率で回転を伝達できる。(b)回転の方向が変えられるとともに、歯車の種類の選択によって回転軸の位置や方向を変えることができる。(c)大きな出力および変動負荷を伝達できる。
歯車を用いることの最大の意義はその減速機能にあり、用いる歯車の種類として、平歯車が最も一般的である。ウォーム歯車も減速目的によく用いられる。ただし、最近ではダイレクトドライブモータやインダクションモータのように、減速機を使わずにトルク伝達や任意の速度調整ができるものもある。歯車減速装置にも多くの種類があるが、遊星歯車減速機は同軸上でトルク伝達を行うことができ、またロボットなどの用途では高い減速比を実現できるハーモニックドライブ減速機が多用されている。