セラミクスは、極めて高い耐摩耗性、耐熱性、耐薬品性を必要とする場合に適している。セラミクス部品の製作過程は、成形、仮焼成、切削、本焼成、研削と多数の工程を必要とする。なかには熱間静水圧プレス(HIP)と研削を組合せる方法もある。800度以下の用途であれば通常、アルミナが用いられる。セラミクスは脆性的な材料なので一般的に切削は困難であるが、結晶化ガラスの一種であるマシナブルセラミクスは切削加工が可能な材料として、ラピッドプロトタイピング用に使われている。
 セラミクスを設計で用いる場合、形状と寸法に関して以下の点に注意を要する:(1)簡単な形状を選び、寸法精度もゆるく設定する。できれば直方体や円柱形状が好ましい。極力凸部や凹部は避けないと、加工費が非常に高くなる。(2)応力集中は避ける。鋭角な隅部は避けてRを大きくとること。他の部品との接触部分を最小限に抑える。(3)金属部品と接触する箇所は寸法公差をきつめに設定する(接触の甘いところで熱膨張差が破壊につながる可能性が強い)。(4)引張応力や曲げ応力が発生するような形状を避ける。(5)達成可能な精度は焼成時で約±1%,研削後で約±0.01-0.1%である。(6)おおよその表面粗さは焼成時で3-10S、研削後で2S、さらにポリッシングを行えば0.2S(鏡面)になる。(7)厚さは薄すぎず厚すぎず一様に保つ。5-30mm程度が望ましい。


表 代表的なセラミクスとその特徴