機械本体の耐久性向上という機能のために界面に第3物質を用いると、大きな効果が期待できる。たとえば、潤滑液は界面の耐摩耗性の向上に重要である。図の(a)のハードディスクではわずか2nmの厚みのそれが寿命を数10倍も伸ばす。また、図(b)の杭打ち機の杭表面に流すベントナイト液は界面の固化、図(c)のガスタービンの最終段の翼表面で吹き出しする空気は界面の冷却、図(d)の表面を親水性にしてフロントガラスの雨による反射を防止する洗剤は界面の改質、図(e)のアルミニウム合金やステンレス鋼の厚み数nmの不動態酸化膜は界面の耐腐食化、図(f)の鋼表面を酸化させてから含浸させたテフロンは界面の低摩擦化、などあげればキリがない。(参考文献:中尾政之、畑村洋太郎、服部和隆「設計のナレッジマネジメント」日刊工業新聞社)


図 第3物質で界面を変える

【思考演算の説明】
 第3物質は界面の特性を変えるのによく用いる。そこでは、構造をほとんど変えずに、本例に示すように、大きな効果が得られることが多い。