流れの場の中でも、吹き出し・吸い込み・渦などがない場では、等角写像ができる。等角写像とは、隣り合う流線や等ポテンシャル線の角度を同じに保ちながら、場を変形することである。等角写像は、図に示すように、流線を描いたゴム板をグニャグニャと曲げて、しかし接点の角度は保ちながら形状を変化させればよい(頭の中で行うのは非常に難しいが)。これはw=1/zで変換した例である。左下図の円の外周部が右下図の円の中心に、中心は外周円に、それぞれ変換される。つまり、ある円の外側が内側に、内側が外側に変換される。内の物理現象と外の物理現象とを裏返すのに等しい。(参考文献:中尾政之、畑村洋太郎、服部和隆「設計のナレッジマネジメント」日刊工業新聞社、[3]数学ハンドブック第4版、丸善(1981))


図 ゴム板で示すω=1/Zの等角写像[3]

【思考演算の説明】
 等角写像で単純な形の流れの場に変換できる。