工学では、流線が見えれば、力も熱も水も電気も磁気も同じアナロジで流れが理解できる。図の(a)は磁気ヘッドの磁気回路の“等磁位線”・磁束を示したものである。図(b)はギャップ部分を拡大して、“等高線”で山を表すみたいに磁位を示した。ギャップ部分から漏れだした磁気で、磁気ディスクや磁気テープの永久磁石を反転させる。反転させる力は磁位の勾配の傾きである磁界Hであるので、一般には図(c)のような磁界分布で表示される。しかし、この磁界分布は等高線でなくて“崖の傾き”を示す図であるので、磁界分布をいくらながめても、図(b)に示す地形に水が流れるようなアナロジで磁力線分布が見えてこない。(参考文献:中尾政之、畑村洋太郎、服部和隆「設計のナレッジマネジメント」日刊工業新聞社)


図 磁気ヘッドにおける磁気の流れ

【思考演算の説明】
 等ポテンシャル線は流線と直交している。ポテンシャルは、重力では高さ、変形力では変位、熱では温度、水では水位、電気では電位、磁気では磁位である。