モーメントによる曲げやねじれを知るには、光弾性による流れの視覚化が有効である。図の(a)で光弾性の縞模様は、等応力線を示し、モーメントを大きくすると線の数が増え、縞の間隔が狭まったところが応力集中部分である。主応力線と主歪線は同じ方向なので、縞模様は歪を示している。歪は変位の微分量だから、等変位線・力線に直すと、図(b)のようになる。モーメントを大きくすると、等変位線も力線も密になる。(参考文献:中尾政之、畑村洋太郎、服部和隆「設計のナレッジマネジメント」日刊工業新聞社、[2]ティモシェンコ:弾性論、コロナ社(1992))


図 梁にモーメントが働いた時に生じる力線

【思考演算の説明】
 工学では、流線が見えれば、力も熱も水も電気も磁気も同じアナロジーで流れが理解できる。なお、等ポテンシャル線は流線と直交している。ポテンシャルは、重力では高さ、変形力では変位、熱では温度、水では水位、電気では電位、磁気では磁位である。等ポテンシャル線・流線は簡単に物理現象を説明しやすい手法である。