蓋を頻繁に取り外しするために、ねじより簡単に締結できる方法を考える。上の図で(a)と(b)からねじを引くと、ボルトはピンになり、蓋の雄ねじは“インロー”の筒になる。この形で締結できないか、考える。回りのものを見回すと、いろいろアイデアが浮かんでくる。たとえば下の図のように、(e)フランジに円周上の長穴を掘ってピンの頭をくぐらせてから回すとか(蛍光灯のフレームを天井のソケットに引っかけるからくり)、(f)フランジと蓋とを抱き込むように外側から“はめ輪”で締めるとか(真空配管ではフランジを止めるのによく使うからくり)、(g)おねじとめねじの一部を欠いておいて、おねじを差し込んで90度回したら全部締まるようにするとか(大砲に後詰めで弾を入れて蓋をするときのからくり)、(h)蓋のインロー部分のボールが内圧で押されるように細工するとか(放水ホースのジョイントのからくり)、などいろいろと考えられる。(参考文献:中尾政之、畑村洋太郎、服部和隆「設計のナレッジマネジメント」日刊工業新聞社)
【思考演算の説明】
機構を足したり引いたりすることは、イメージとして簡単である。本例は、二つのものから一つを除いたものである。