自動車の車体構造の中で、薄板接合技術はきわめて重要である。薄板接合では、スポット溶接やリベット接合がよく行われる。一般的なリベット接合は、事前に穴を開けた板にリベットを挿入して、その頭部をかしめて被接合物に圧接力を発生させる。近年、軽量化のニーズとともに、アルミパネルの接合方法として、図のように、自己穴あけ機能を持つセルフピアシング・リベットが登場した。パイプの形をしたリベットを被接合材に押し付けて、被接合材をパイプ形のリベットにからみつくように変形させ、継続して押し付けることで、リベット先端をダイスで広がるように変形させ、圧接力を発生させる方法である。


図 セルフピアシング・リベットと接合工程

 日本ドライブイット社カタログより

【思考演算の説明】
 リベット本来の「塑性変形によってかしめて接合力を出す」機能と「穴をあける」機能を足し合わせて量産性を改善したものである。リベット自身が穴を開けるため、被接合材の厳密な位置合わせが不要であり、スポット溶接と同等の工程が可能となる。