音響装置で出荷前の24時間ヒートランテストを実施したところ、音声の出ない不良が発生した。音声回路ICのバイアス回路の、図1のようなセラミックチップコンデンサが、はんだ付け作業の熱衝撃で素体(セラミック)に、図2のようなクラックが発生していた。また、稼動後の直流電圧印加で内部電極材(パラジウム)のマイグレーション(印加電圧で金属が移行する現象)が起こり絶縁不良となった。


図 1.チップコンデンサ外観


図 2.チップコンデンサ内部とクラック状況

【設計のアドバイス】
 セラミックチップコンデンサは、はんだ付け作業時の熱衝撃で素体(セラミック)にクラックが発生する場合があるが、微細でリーク量も少なく発見しにくい。はんだ作業時に、急激な温度変化の条件にさらされないように、予熱を十分行う。もちろん、はんだ作業の温度条件がコンデンサの熱保証条件内にあることを確認する。また、はんだ付け後も、基板を曲げたり、ぶつけたりすることに注意して、機械的ストレスを与えないことが重要である。