稼動開始後数ヶ月で、CRT表示装置のヒューズ断線事故が寒冷地で多発した。ブラウン管の消磁回路で、図1のように使用している正特性サーミスタの導体抵抗が低温時減少したため、機器の突入電流が増大した。その結果、図2に示すように、ヒューズの溶断定格に対して通過電流が73%に達し、電源スイッチのON、OFF繰り返しで可溶体が溶けて断線した。対策として、ヒューズ定格と突入電流の定格規格を変更した。


図 1.消磁回路の正特性サーミスタ


図 2.ヒューズ構造

【設計のアドバイス】
 ヒューズは電源のON、OFFによる突入電流で断線しやすくなる。信頼性を確保するために、負荷を定格値に対して余裕を持たせる。また、負荷回路が温度特性を持つ場合は、最大電流条件で確認する。