複写機の樹脂製の軸受け部に割れが発生した。割れの発生個所は、図のようにベアリングのハウジングの角で、調査した結果、樹脂の劣化が認められた。ベアリング内のグリースはジエステルをベースオイルにしており、このグリースが漏れてABS樹脂のハウジングに付着して劣化を引き起こし、ステーからの力で角部に割れが発生したことが判明した。対策として、グリースをベースオイルがABSと相性のよいαオレフィン系に変更した。
【設計のアドバイス】
グリースの銘柄で樹脂との相性を検討するのではなく、グリースのベースオイルと樹脂との相性をみることが肝要である。PMMA(アクリル)、PC、ABS、PPEなどの樹脂は、ジエステルやポリエチレングリコールをベースオイルとするグリースとは相性が悪い。この時は、ポリαオレフィンやパラフィン系鉱油をベースオイルとするグリースを使用する。