図のように、吸吐配管を共通とする3台のポンプのうち、常に2台を運転していた。ところが、交互に1ヶ月ごとに運転したところ、稼動6ヶ月で3台ともモータ軸受部から異音が発生した。3台のポンプが共通管で結合されているので、休止中のモータのころがり軸受に軸方向の微振動が伝わり、ころと内外転動面が一定の位置で繰り返し摺動した。このためグリースの油膜が切れて、ころ軸受内輪面にフレッティングコロージョンが発生した。


図 ポンプシステムと、ころがり軸受の損傷状況

【設計のアドバイス】
 フレッティングコロージョンとは、ころがり軸受が小振幅の揺動運動をするとき、軌道輪と転動体との接触部分に赤色の酸化鉄粉を出して、接触部分が摩耗する現象である。この現象は、軌道輪と軸またはハウジング、キーとキー溝、車輪と車軸など、はめあいが圧入するほどのしまりばめでも、荷重が大きいと、これらのはめあい面に発生する。