パイプ搬送装置では、図のようにローラでパイプを搬送する。この時は、ローラの回転を検出する回転センサは、搬送の衝撃を緩和するため、カップリング接続となっていた。ところが、回転センサ破損の不具合が散発した。調査の結果、ローラやベアリング交換時に行ったセンサの芯出しが不良であることが判明した。現場での芯出し作業は、作業環境が悪く、調整が不正確でかつ作業時間を多く必要とする。そこで、図2のように、回転センサを軸受で固定した共通ブロック上に設けて、ブロックごとに固定できるようにした。これによって、センサ芯出し作業を、整備場等の良い環境で、短時間かつ正確に行なえる。


図 1.パイプ搬送ローラと回転センサ(対策前)

 一般に回転センサや速度センサは軸端に片持ちで固定されるため、軸がふれてすりこぎ運動を起こしやすい。この軸端の振動が重大事故まで発展したのが、1972年の開西電力(株)海南発電所第3号機のタービン軸破裂事故である。


図 2.回転センサのブロック構造(対策後)

【設計のアドバイス】
 生産ライン外で準備することを「外段取り(そとだんどり)」といい、ラインの停止時間を減少することができ、生産ラインの装置設計には欠かせない検討項目である。