薄板構造物の溶接方法として、ティグ溶接、ミグ溶接、マグ溶接、スポット溶接、シーム溶接が一般的である。高エネルギ密度溶接法の電子ビーム溶接(図1)やレーザ溶接(図2)は、精密溶接、従来溶接が困難であった材料の溶接、高速溶接などに活用されている。表に示す各アーク溶接法の特徴によって、適切な溶接方法を選択する。参考文献:「接合・溶接技術Q&A1000」産業技術サービスセンター、「溶接便覧」溶接学会、「接合・溶接技術」溶接学会編


表 各種アーク溶接法の特徴比較


図 1.電子ビーム溶接機

 電子ビーム溶接は、真空チャンバ内で発生させた高密度電子ビームで溶接する方法で、薄板から厚板まで溶融幅の狭い溶接が可能である。


図 2.レーザ溶接法

 レーザによる高エネルギ密度溶接では、大気中加工が可能なため、電子ビームより自由度が大きい。しかし実用で最大級の25kWのCO2レーザで25mmまでの溶接なので、薄板での利用が多い。

【設計のアドバイス】
 マグ溶接(Metal Active Gas 溶接)は、ミグ溶接(Metal Inert Gas 溶接)との消耗電極式アーク溶接の一種で、ミグではシールドガスに不活性なArガスを用いるが、活性なCO2とArの混合ガスを用いる方法である。ミグに比べガスが安く経済的である。炭酸ガス溶接もマグ溶接に入れる場合もある。