材料同士が接触する部位に、クラックが発生することがある。これは材料間での相対的な微小振幅の繰返しすべり運動(フレッティングという)が、原因である。接触面の表面荒れ、せん断集中、面圧集中、発熱などに起因して、その疲労強度は、母材の通常の疲労強度と比べ、1/3〜1/10と大幅に低下する。図1はその例である。参考資料:金属の疲れと設計(コロナ社)
【設計のアドバイス】
疲労強度の低下防止策として、図2のように、接触面圧を下げたり、図3のように、相対すべりが小さくなるように設計する。また、摩擦係数の低下(テフロン皮膜、リン酸塩を用いた潤滑)、銅めっきやクロムめっきの表面処理、パッド・シューなどの接触材の硬さを著しく低くすること、なども効果がある。そして、表面層に圧縮の残留応力を残す方法も有効である。方法として、ショットピーニング、表面圧延、低温焼入、高周波焼入、浸炭、窒化などがあげられる。
【思考演算の説明】
応力が集中する摺動部の角(かど)の部分を分割・除去して、面圧を下げるようにした。