ボルトで被締結体を締付けた時、図1(a)、(b)のように、ボルトには伸びが、被締結体には縮みが生ずる。(a)、(b)を背中合わせに配置して描いたのが(c)で、締付け線図と呼ばれる。ボルトのばね定数をK_B(Bは図1では下付き)、被締結体のばね定数をK_C(Cは図1では下付き)、ボルト軸力をFとすると、締結体の全弾性変形量は、F/K_B + F/K_C = F(K_B + K_C)/(K_B×K_C)となる。すなわち、軸力と全弾性変形量の比は一定となる。この係数は被締結体が単位長さへたる(望性変形する)とどれだけ軸力が低下するかを表すので、ヘタリ係数と呼ばれる。つまりヘタリ係数:Z=(K_B×K_C)/(K_B+K_C) で 仮に、へたり量がδとすると、ボルト軸力低下代は、 ・F={(K_B×K_C)/(K_B+K_C)}×δとなる。この状態を図2に示す。(参考文献:酒井智次著「ねじ締結概論」養賢堂)


図 1.締結体の締付け状態


図 2.へたりによる軸力低下