歯車の歯面強度向上のため、一般に、高周波焼入れは頻繁に行われる。図面に「歯面を高周波焼入れすること」と指定すると、それは普通、図に示すように、歯面のみを焼入れすることと解釈される。その結果、焼入れ硬化層と未処理との境界部が材質的な切欠きとなり、応力が集中して歯元強度を大幅に低下させる。歯元まで焼き入れすることを特記することが重要である。


図 歯車の歯面焼入れ範囲

【設計のアドバイス】
 材料の熱処理に対する評価は、外見から判定することが困難であり、その結果、外注任せとなり易い。図面に特記事項を記入し、必要機能を十分に記載しておくことが大切である。