エンジン・トランスミッションからデファレンシャルギア装置へ駆動力を伝達するための、ドライブシャフトの事故を仮想演習してみる。一般にドライブシャフトは、設計基準値を超える過大な負荷が加わって切損した、という事故だけでなく、設計時に信頼性・耐久性に十分な配慮が払われていても、組立・整備の不良、たとえばボルトの緩み・脱落や潤滑不良・焼き付けなどに起因して切損に至った、という事故もある。特に危険な事故は、1次事故だけで終わらずに、駆動動力側と切り離れた従動側のドライブシャフトが振れ回る事故である。ブレーキとも切り離れたから、ぶつかって止まるまで振れ回る。この時、周囲の装置に甚大な被害を及ぼし、人身事故につながる恐れがあるので、せめてドライブシャフトが振りまわらないように、図のようにガードをつけるべきである。


図 ドライブシャフトの破損時の振れ回り防止対策

【設計のアドバイス】
 回転体の事故は、それ自身が壊れたあと、飛散する時に被害が増大する。半径1cmのところを1000rpmで振れていればrω2に代入すると10G、1万rpmで1000G、10万rpmで10万Gにする。1000Gだと1kgのものが1トンに変って、飛んでくるのに等しい。カバーは不格好になっても構わないから剛のものをつけるべきである。