ボルト締結で構造物を結合する時は、ボルトを回すトルクを管理して規定の締結力を保証することが多い。工場では締付トルクと称してひとつひとつ管理されている。ところがボルトを回した時、ボルト側面と被締結物の穴面とが接していると、この時、摺動で摩擦力が生じ、見かけ上、そのトルクが発生して、締結力に寄与するトルクが小さくなる。つまり、十分な締結力が得られずに、その時、被締結物が何かの拍子にずれて摩擦がなくなると、ボルトがゆるむことになる。


図 締結トルクの内訳

 締付トルクTは、そのねじ面の締結トルクTtだけでなく、座面の摩擦トルクTbまたはボルト側面の摩擦トルクTiによっても発生する。被締結材同士の締結力Fは、ねじ面の締結トルクTtに比例するから、2つの摩擦トルクが大きいと、締付トルクを一定の値に管理しても、見かけ上、ねじ面の締付トルクは小さくなる。特に被締結物の自重や構成部品のばね要素によって図のように荷重Wが作用すると、このような失敗をする場合が多い。そこで、自重が作用しないように被締結物を支えるとか、横に倒してから締結するとか、バネ要素の荷重が作用しないようにバネを固定しておくとか、種々の工夫が必要である。