LSIチップは通常、その機械的保護、信号端子の取り出し、給電、放熱などのために図1に示すようなパッケージと呼ばれる基板に搭載されている。端子ピッチの拡大をパッケージ内でせよとの至急の要請があり、自動設計および自動検査のプログラムが準備できないまま、人海戦術による配線設計をした。基板を試作し配線の導通検査をしたら、多くの信号のショート・オープンが検出された。図3(1)のように設計者以外の第3者によるチェックも行ったが、やはりミスが発生した。
 図3(2)のように配線検査プログラムを配線設計と同時並行して作成し、チェックさせ、ミスを検出するように改善した。


図 1.LSIパッケージ


図 2.代表的な配線ミス

 図2は代表的な配線ミスで、スルーホールを忘れてつながっていなかたり、クリアランスをとり忘れてショートしてしまう。


図 3.配線検査の手法

【設計のアドバイス】
 入出力端子数が200を越えると人力配線設計ではミスが生じる。また、仮に、入力配線設計を行わなければならない場合でも、最低、配線検査プログラムを作成して検査をすべきである。人間の検査では、2次元までは可能だが3次元の検査は困難である。
 配線と同じ性格のものに配管がある。原子力プラントになると配管が3次元に張り巡らされて、人間の頭ではこんがらがって考えられなくなる。これにも完璧な自動設計CADが開発されている。