燃料フィルタの中に装着した水溜まり感知用フロートスイッチが作動しなかった。原因はナイロン6で作成したフロートが吸水して比重が1より大きくなり、水に浮かなくなったためである。吸水率の小さいポリアセタール樹脂に変更した。


図 フロートスイッチの構造

 ナイロン6製フロートが吸水して水に浮かず、スイッチが作動しなくなった。フロートスイッチ単体の耐油性や耐熱性について多くのテストを実施し、品質には自信をもっていたのだが、思わぬ「水のわるさ」で全く機能しないセンサを、わざわざお金をかけて装着してしまった。品質確認は、実際に使われる状態にできるだけ近づけて実施すべきであった。燃料に水を混入させた状態で、ヒートサイクルテストを実際することは簡単なのだから。

【設計のアドバイス】
 樹脂は水や油など液体を吸い込むものとまず疑うこと。材料の特性をよく調べて使うこと。