図1のようにブルドーザで岩を掘り起こしている最中、リッパ装置の油圧シリンダのヘッドをとめているボルトが引きちぎれ、シリンダロッドがスッポ抜けた。シリンダが伸びきった状態で用い、そこに掘削力がはたらいて、ヘッドを固定するボルトを引っ張り、このボルトが引きちぎれたためである。ヘッドを取りつけるボルトの本数を図3から図4のように2倍にした。


図 1.ブルトーザの構造


図 2.伸びきった状態の油圧シリンダ

 油圧シリンダのロッドが伸びきった時に、ロッドを引っ張る外力が働いたため、ヘッドを固定しているボルトが破断した。油圧シリンダだけでなく、ボールねじ、ピエゾ素子、空気圧シリンダなどでも、伸びきっているときに、さらに伸ばそうとするとどこか弱いところが壊れる。本例ではヘッドのボルトであった。ピエゾ素子では両端を固定している接着剤がはがれる。


図 3.対策前のヘッド


図 4.対策後のヘッド

【設計のアドバイス】
 ストロークの伸びきった状態など、終端時や媒体がなくなった状態などにどのようなことが起こるか考えて設計すること。