オフロード用大形ダンプトラックを開発していたが、溶接構造のフレームの補強板溶接部に亀裂が発生した。クロスメンバとメインフレームとの接続部に補強板を貼って、図1のような溶接構造とした。しかしここを通る力の流れを見ると、図2のように外の補強板のみに力が通り、1枚分の強度しかなかった。開発機の試験中に曲げモーメントがはたらいて亀裂が発生した。図3のように1次対策および図4のような2次対策を施した。


図 1.ダンプトラックのフレーム


図 2.溶接部の力の流れ

 ダンプトラックのフレームの接合部を、モーメントに対して低剛性に設計してしまったため、根元の溶接部に亀裂が生じた。外観からだけでなく、断面に力線を描き、剛性のバランスを考えることが必要である。


図 3.第1次対策


図 4.第2次対策

【設計のアドバイス】
 力線チェックによって、剛性のバランスを常に検討すること。