北海道で冬の朝の始業時に、トラッククレーンのジャッキシリンダのロッド部から油が漏れて、ロッドが降下した。夜間最低気温が−30℃と低いため、Uパッキンのポリウレタンが硬化したためである。低温用ニトリルゴム(NBR)に変更した。
肉厚の最も薄い場所はA部ではなく、B部であった。
【設計のアドバイス】
ロッドがシリンダに対して偏心していると、Oリングのつぶし代が均一でなくなる。
【非技術的背景】
これまでは、北海道の冬期には、クレーンが稼動しないと言われ、実際に工事が少なかった。しかし、その年はたまたま多かった。Uパッキンのポリウレタンは、北海道でも耐摩耗性でも「実績あり」と設計者も信じていたのが失敗のはじまりだった。