従来、自動車のパワーステアリングのトーションバーはピニオンギアにピン結合されていたが、コンパクト化のため圧入構造に変更した。一般のプレス機で圧入したところ、抜け荷重、振れ(組付け精度)、嵌合長精度(±0.5mm)などの要求値を満足しなかった。そこで、図1のように、エアを用いてトーションバーを加速して圧入穴に打ち込む方法を採用して、要求性能を満足した。特に、高い抜け荷重が得られたのは、圧入界面の摩擦でトーションバーと圧入穴の界面が溶着されるためである。図2に、圧入部の金属組織を示すが、溶着層が確認できる。
エアを用いて、トーションバーを導管内でエアフローティング状態にして加速し、治具内のピニオン圧入穴に打ち込む。
【設計のアドバイス】
荷重を加える機能を、静的荷重でなく慣性力で実現した。