自動車のドアパネルの端部は、接着剤を併用したヘミング処理で結合している。従来、高い接合力を得るために、接着剤を熱風加熱で硬化させていた。今回、直径0.2mmのガラスビーズを接着剤に混入塗布し、ヘミング加圧でパネル間に食い込ませることで、剪断方向の結合力を改善することができた。この工法によって、熱風加熱を必要とする接着剤を使用せず、工程の簡素化と作業環境の改善が可能となった。
【思考演算の説明】
「剪断力を持たせる」という機能に着目し、この機能をガラスビーズに分担させている。機能分割により、過剰な処理を省いた例である。歯医者が葉を固定させる接着剤にも硬い粒子が混合してあり、噛み合い力はその粒子を通して伝わるように設計されている。