ビル管理システムを設置したところ、CRTに2〜3mmの「画面ゆれ」が発生した。この時、図のように、電源ケーブルがシステム設置場所直下の低圧ダクト内を通っていた。つまり、このケーブル内の電流2500〜6000Aが作る磁界(磁束密度0.3ガウス)の変動が原因であった。対策として、CRTカバー材を0.5mm厚打抜き鋼鈑から、0.3mm厚ケイ素鋼鈑に変更し、磁気を遮蔽した。


図 CRT設置状況

【設計のアドバイス】
 CRTは偏向コイルの磁界で走査する電子ビームで描画されるので、外部磁界の影響を受けやすい。設置場所は、送電線や大電流の磁力装置のような大きな磁界の影響を受けないようにする。設置場所の環境条件の決定には、仕様書への明記、設置前の環境調査、顧客へのコンサルテーションが欠かせない。