図のように、ポリアセタール樹脂に金属をインサート成形したところ、しばらくしてポリアセテート部分が破損した。ポリアセタール樹脂は、結晶質部分と非晶質部分が混在している。成形後、非晶質部分の結晶化が進行して、体積が減少する(縮む)が、インサートした金属が収縮変形の抵抗となり、樹脂が破損した。
インサート成形とは金型に中子(なかご)となる金属を挿入しておいて、まわりにプラスチックを射出成形する成形法である。
【設計のアドバイス】
ポリアセタール樹脂は、機械的特性、電気的特性、摺動性、成形性、成形品の寸法安定性に優れた特性をもっており、構造材料や機構部品として、電気機器、自動車部品、精密部品等に広く使用されている。しかし、他の熱可塑性樹脂に比べて、クリープ変形が生じにくいが、上記のように、クリープ破壊寿命が短い。