複写機の連続コピーで、DC電源がダウンする不具合が報告された。ユーザを調査したところ、品質保証の範囲(コピー枚数1万枚/日)を超えるヘビーユーザでは、17時間/日以上ほぼ停止することなく連続コピーをしており、このため、電源の温度上昇プロテクト回路が作動したことが判明した。プロテクト回路の作動温度が100℃に対し、温度検出素子はばらつきの下限である95℃で作動していた。温度上昇しても電源自体の余裕があるため、当該機の回路定数を変更し、停止温度を数℃上げた。また、新機種には図のように、電源冷却ファンを追加した。
【設計のアドバイス】
ユーザの使い方を勝手に設計者が判断していた。使い方はユーザが決めるものである。また、開発途中に実施した、安全規格の温度上昇テストでも停止したが、試験条件が過酷すぎると判断し、対策しなかったことも今回の不具合の要因である。設計の余裕度は、機械の性能の最大負荷条件に対して見込むべきである。