図のような多種電源系のエミッタ結合回路(ECL)が発振した。カレントスイッチ(CS)およびエミッタフォロワ(EF)の電圧振幅を測定し、発振ループを振幅の大きいCS側(VEE)と判断したが、実際はEF側(VTT)であった。多種電源の場合、電源を含めた回路系のインピーダンスは、各電源種で異なる。このため、いったん発振が起きると、容量結合や誘導結合によって、ノイズの電圧・電流が色々な部分に伝播する。その結果、発振源以外の場所で電圧が大きな変動として観察されてしまう。発振源は電圧振幅の大きさのみで判断できない。
【設計のアドバイス】
多種電源系の場合に、回路発振の場所を特定する方法として、回路定数を変更して周波数が大きく動く場所に着目する方法が有効である。