製品が稼動中、突然、爆発音とともに製品内部から白煙が上がった。同時に屋内配線ブレーカおよびヒューズが切れ、内部の基板上面に電解液が散乱した。図1は電解コンデンサ周辺の回路図である。家庭の単相3線式100/200V用屋内配線ブレーカ接続部の接触不良で、100V回路で稼動中の製品に、200V回路からの回り込みによる過電圧(約190V)が印加された。このため電解コンデンサ(47μF、160V)に約250Vが印加されパンクした。図2のように、電解コンデンサの防爆弁の位置を、低面部から頭部のタイプに変更し、防爆弁作動時の液洩れの影響を少なくした。


図 1.電解コンデンサ周辺の回路


図 2.電解コンデンサの防爆弁位置

【設計のアドバイス】
 アルミニウム箔形乾式電解コンデンサは、外部原因やコンデンサ自体の故障で、内部圧力が上がりケースが破裂することがある。この衝撃を軽減するために、防爆弁が設けられている。頭部の防爆弁タイプは、底面タイプ(ゴム板防爆弁)に比べて、耐抗力が小さいので防爆の効果は大きく、防爆弁作動時の液洩れ影響が少ないので基板搭載用に適している。