圧延ロールは定期的に交換される。従来は、図1のように、ロールをスタンドから抜く際、チョックを分割してはずし、ロール軸にガイドを固定し、ガイドにチェーンブロックを掛け、ロール本体との重心を取りながら上方に引き上げて着脱するため、整備に多くの時間が必要であった。そこで、図2のように、ガイドのロール軸固定部を半割にしてすみやかにロール軸とガイドを固定し、ガイドの下限位置でロックピンを打って昇降部と固定し、その昇降部を昇降シリンダで上方に押し上げて、ロール単体での脱着を可能とした。ガイドを剛にすることで重量物の狭いところの運搬が楽になったのである。なお、半割面はガイド下限で水平に分割して固定を上方から行えるようにし、また、ロール軸を上方に抜く際にハウジングと干渉しないようにした。


図 1.ロールの固定方法(改善前)


図 2.ロールの固定方法(改善後)

【設計のアドバイス】
 定期的に交換が必要な部位を分割構造にして整備性の向上を図る。