図1のように、ブラケットが薄板構造の車体フレームに溶接されていた。試作車両のテストでフレームの溶接近くに亀裂が発生した。剛性の低いフレームに溶接したのだが、ブラケットに加わる力によって、図のようにフレームが局部的に曲げ変形し、早期に疲労破壊を起こした。対策として、図2のように、溶接位置を剛性の高いフレーム側面に変更し、曲げ変形を避けた。
【設計のアドバイス】
薄板構造では、剛性の小さい部位に溶接すると、上記のように荷重で局部的に変形することに加え、溶接ビード端部の応力集中と、熱影響による材料強度の低下も加わり、疲労強度が著しく低下する。
【思考演算の説明】
溶接位置を変えることで、溶接ビード端部の応力集中と熱影響による材料強度の低下とを分離した。