ヒュームの許容濃度は、表1のように、日本溶接協会WESで3mg/m3に定められている。溶接方法ごとに、表2に示すように、ヒューム発生量が異なる。造船で最も多用されるCO2溶接は、単位時間あたりの発生量は多いが、溶着金属あたりの発生量は少なく、ほぼ被覆アーク溶接と同等である。図のセルフシールドアーク溶接は、きわめて多量のヒュームを発生するので、屋内では採用しない。ヒュームは基本的に有害であり、溶接時には防塵マスクの着用が必要である。特に、亜鉛メッキ鋼板からの酸化亜鉛、ステンレス鋼からのクロムやニッケル、銅合金からの酸化銅は、有害であり局所排気や換気が必要である。また、狭隘個所での溶接は、ほとんど手動溶接となるので、換気は局所排気装置とし、さらに送気マスクの着用が望ましい。参考文献:「接合・溶接技術Q&A1000」、産業技術サービスセンター、「溶接全書 溶接施工管理」産報出版
消耗電極式アーク溶接の一種で、ワイヤ内部に充填したフラックスに、シールドガス用ガス生成と脱窒作用を持たせ、シールドガスを流さずに大気中で溶接する自動・半自動溶接法である。