歯車のかみあい騒音が許容値より大きかった。荷重を伝達するとき、歯車軸に曲がり・ねじれが生じ、また歯自身も荷重を受けて曲げ・ねじり応力が発生する。これらの曲がり・ねじれによって、歯のかみあいが片当たりとなり、そのため駆動側から被駆動側への回転の伝達が円滑でなくなり、振動を引き起こした。対策として、図のように、歯のはすじ両端部を修正し、歯すじにふくらみを持たせて、両端の当たりを逃がした。この修正をクラウニングというが、当たりの長さは歯幅の80〜95%が適当である。


図 クラウニング

【設計のアドバイス】
 歯車かみあい騒音の原因は、伝達荷重による歯のたわみの他に、歯先形状、ピッチ誤差などがあり、これらによって滑らかな回転伝達ができなくなる(角度伝達誤差が発生する)ためである。