海外に複写機を輸出し開梱設置したところ、機械を制御する基板上で、特定の電圧が作動しない不具合が多発した。調査したところトライアックの足が折れていた。このトライアックは、図のように、放熱板共用のケースとPCB基盤に固定されていた。輸送用の振動で両者に振動モードのちがいが生じて、トライアックの足に繰返し荷重が作用し、疲労破壊したと考えられる。対策として、ケースに板金の補強部材の追加し、振動を抑えるとともに、トライアックの足に応力緩和(ストレインリリーフ)のフォーミングを追加した。
【設計のアドバイス】
電子部品の足には繰返し荷重が掛からないように注意する。放熱板など振動体に固定するIC類は、足にストレインリリーフのフォーミングをする。
【思考演算の説明】
応力緩和用の低剛性構造として、本例のようにU字構造を使うことが多い。化学プラントの配管や、形彫り盤(シェーパ)用のヘール付工具に使われている。