金属材料は加熱すれば軟化する。図1のように、冷間加工材をある温度以上に加熱すると、再結晶で内部ひずみが消失し、軟化する。図2のように、時効硬化材を時効温度以上に加熱すると、過時効により軟化する。図3のように、調質材(焼入れ焼戻し材)を焼戻し温度以上(ただしAC1変態点以下)に加熱すると軟化する。


図 1.銅および銅合金の焼鈍軟化特性(冷間加工材の例)


図 2.2014合金のT6材に対する軟化曲線(時効硬化材の例)


図 3.SCM432の焼戻し性能曲線(調質材の例)

 引張強さσB、降伏点σS、伸びδ(%)、絞りψ(%)、シャルピー衝撃値ρ(Kgf・m/cm2 )、ブリネル硬さHB(10/3000)

【設計のアドバイス】
 製造工程中の加熱は、出来る限り避ける。溶接やろう付けなどの加熱が避けられないばあいは、軟化後の機械的強度で設計する。